私の手元に1冊の小冊子があります。

郵送検査における咽頭・性器クラミジア・淋菌の年齢階層別感染率』(日本性感染症学会誌 Vol.26,No1)

内容はクラミジア・淋菌の咽頭感染と性器感染を検査出来る郵送検査キットを購入した男女の検査結果をまとめたものです。

検査キット利用者の感染実態から、今後の感染予防の啓発方法を検討しようとするものです。

調査研究には東京医療保健大学、日本臨床男性医学研究所、株式会社アルバコーポレーション、性の健康医学財団が参加しています。

 

調査対象として選ばれた郵送式検査キットですが、報告書の中ではメーカー名、商品名が明らかにされていません。単にA社としています。しかし、記事を読めばすぐにA社がSTD研究所だと分かります。

該当検査キットは私自身も使ったことのある、STDチェッカータイプPです。

なぜ、そうと分かったかと言えば、検査キットの選定理由にこう書かれているからです。

『A社は郵送式検査キット取り扱い企業の中でも最も年間検査数が多く、予防啓発やアンケートによる検査等に対する評価まで含めたフォローアップが充実しているから。』

 

これはもう、間違いなくA社とはSTD研究所のことです。正式な検査数は公表されていませんが、郵送式検査キットの老舗であり、様々なメディアで高評価のSTD研究所が最も多いでしょう。

更に製品やサービスに対するアンケート調査は他社を圧倒する充実ぶりで、STD研究所のホームページに6,000件の声が紹介されています。

更に、クラミジア、淋菌の咽頭検査、性器検査がまとめて可能と言うことで、これはSTDチェッカータイプPだと分かりました。

私自身も使ったことがあります。

 

■STDチェッカー タイプP(男性用)

■STDチェッカー タイプP(女性用)




■販売元:STD研究所

■価格:¥9,200+消費税

■検査項目:クラミジア・淋菌の咽頭感染、性器感染

■STDチェッカー タイプP(男性用)

■STDチェッカー タイプP(女性用)

今回の調査は、2013年2月~2014年12月までにSTD研究所のホームページからSTDチェッカータイプPを購入した、男性10,849件、女性5,336件を調べたものです。

アマゾンや楽天など、ホームページ以外の販売ルートは含まれません。

 

◇どんな世代の人が検査キットを購入しているか?

ではまず、STDチェッカータイプPをどんな世代の人たちが購入しているのか、男女別に見てみましょう。グラフ1をご覧下さい。

 

年代別購入数
グラフ1.STDチェッカータイプP 年代別購入数

グラフをご覧頂いてお分かりのように、郵送式検査キットを購入する世代は下は15歳から、上は84歳までいます。まさに現代の高齢者はお元気そのものですね。

 

さて、同じくグラフから男女別の購入層がハッキリ分かります。女性の最大購入層は25歳~29歳で、男性の最大購入層は30歳~34歳です。

●男性

・25歳~29歳 2,282件 21.0%

・30歳~34歳 2,320件 21.4%

・35歳~39歳 1,984件 18.3%

 

●女性

・20歳~24歳 1,319件 24.7%

・25歳~29歳 1,463件 27.4%

・30歳~34歳 961件 18.0%

このように、男女ではちょうど5歳のずれがあって、女性の方が若い世代に購入者が多くなっています。

 

これはもう1つのデータを見ると実に納得出来る気がします。

厚生労働省がネットで公開している平成29年(2017年)のクラミジア、淋菌の年代別感染者数です。

クラミジア年代別
グラフ2.年代別クラミジア感染者数

淋菌年代別

グラフ3.淋菌の年代別感染者数

グラフ2、グラフ3をご覧頂いてお分かりのように、郵送式の検査キットを多く利用している年代層は、実際の感染者もまた多い年代層です。

感染者が多ければ検査キット利用者も多いのは当然と言えます。

 

◇実際に感染していたのはどのくらい?

では、男性10,849件、女性5,336件を検査した結果、いったいどのくらいの人がクラミジア、淋菌に感染していたのでしょうか。

次のグラフ4、グラフ5をご覧下さい。

 

クラミジア感染率
グラフ4.クラミジア感染率

STDチェッカータイプPの男性利用者の0.4%、女性利用者の2.8%が咽頭感染(のど)、男性3.4%、女性9.3%が性器感染していました。どちらも女性の感染率が男性を大きく上回っています。

なぜ、女性の方が感染率が高いのでしょうか。これは全くの私の想像なのですが、女性の方が症状が出にくいからではないでしょうか。

一般にクラミジアは感染しても男性の50%、女性の80%は自覚症状が出ないと言われています。それでも男性の方がまだ症状が出やすいので、感染不安があれば検査キットを使わずに泌尿器科で診察を受ける割合が多いのではないかと思うのです。

 

一方女性はクラミジアに感染しても80%は症状が出ないのですから、いきなり婦人科へは行かずにまずは郵送式検査キットで検査してみようと思うのではないでしょうか。

ただし、咽頭感染については男女ともに症状が出にくいとされています。今の説明だと咽頭感染で女性の方が明らかに感染率が高い説明がつきません。素人考えではちょっと説明が思い浮かびません。

 

次は淋菌感染者の男女別感染率です。

 

淋菌感染率
グラフ5.淋菌感染率

男性利用者の1.7%、女性利用者の4.5%に咽頭感染が、また男性利用者の0.5%、女性利用者の2.0%に性器感染が見つかりました。

淋菌感染もまた、クラミジア同様女性の方が感染率が高くなっています。

 

また、クラミジア、淋菌共に咽頭感染がいかに多いか、と言うことが分かります。特に淋菌については性器感染より断然、咽頭感染の方が多くなっています。

この結果を見る限り、クラミジア、淋菌の感染不安を感じたら、性器感染、咽頭感染、両方を検査しないと安心できないことが分かります。

性器感染だけを検査して陰性だったとしても、実は咽頭感染していた、と言うことが大いにあり得ます。

 

まとめ

今回は日本性感染症学会が調査研究した、郵送検査によるクラミジア、淋菌の検査実態の一部を紹介しました。

同研究結果によれば、

●郵送式検査キットを購入する世代は下は15歳から、上は84歳までいる。

●男性は30歳~34歳 、女性は25歳~29歳の年齢層が最も検査キットを利用している。

●クラミジアも淋菌も男性より女性の方が検査結果の陽性率が高い。

●性器感染と共に咽頭感染もまた非常に多く、検査するなら両方を検査しないと安心出来ない。

 

同報告書にはまだまだ興味深い情報が掲載されています。また日を改めて記事にしたいと思います。

最期に、今回調査対象となった郵送式検査キットを紹介しておきます。感度の高いTaqManPCR法を使ったクラミジア検査、淋菌検査のキットです。

 

■STDチェッカー タイプP(男性用)

■STDチェッカー タイプP(女性用)




■販売元:STD研究所

■価格:¥9,200+消費税

■検査項目:クラミジア・淋菌の咽頭感染、性器感染

■STDチェッカー タイプP(男性用)

■STDチェッカー タイプP(女性用)