性感染症(性病)の検査キットはスクリーニング検査が目的のツールです。

検査キットの選び方をご説明する前に、検査キットとはそもそもいったい何なのか、どんなことが出来るツールなのか、それをあなたに説明しておきたいと思います。

くれぐれもご利用目的を間違えないようにご注意ください。

◇検査キットはスクリーニング検査のツールです

一般にネットで売られている検査キットはスクリーニング検査を目的とする検査ツールです。スクリーニング検査とは、「振るい分け」を行う検査のことです。

例えば、HIV検査を例にして説明すると、HIV用の検査キットだけでは「陽性」判定は確定できません。

検査キットはHIV感染に対して、怪しい人と、怪しくない人を振るい分けするのが目的なのです。

「陰性」の判定が出れば怪しくない人なので安心していいのですが、「陽性」判定で怪しい人に分類されても、あくまでも怪しい段階であって、HIV感染が確定したわけではありません。

更に確定検査を受けないとHIVに感染しているかどうか分かりません。

このように、まず第一段階として大きく怪しい人と、怪しくない人に分類することをスクリーニング検査と呼びます。

これは別に検査キットにだけ用いる手段ではありません。一般的な品質検査でも同様です。

私は電子部品のメーカーで勤務していますが、電子部品の出荷検査でスクリーニング検査と呼ばれる検査を行うことがあります。

これは良品と不良品の振るい分け検査のことを指します。

どうしてスクリーニング検査という概念を用いるかと言えば、現実的な効率やコストを配慮しているからです。

HIV検査でいえば、スクリーニング検査は判定が早くできるしコストも安く済みます。

一方、HIVに感染しているかどうかの最終的な判定を下す確認検査では時間もコストもかかるのです。

もしもこの確認検査を第一段階から検査希望者全員に行うとしたらどうでしょう。

ものすごく時間がかかるし、費用も莫大なものになります。

しかも、ほとんどの人が「陰性」であり、HIVには感染していないのです。

毎年、保健所のHIV検査には10万人以上の希望者が検査を受けに来ます。

保健所でのHIV陽性率は約0.3%です。つまり、99.7%の人は陰性であり、感染していません。

こうした現実を踏まえて、まずはスクリーニング検査を行い、怪しい人、怪しくない人を分類するのです。

これは検査キットに限らず、保健所でも病院でも同じです。まずはスクリーニング検査から行います。

今、HIVを例にして説明しましたが、他の性感染症についても基本的な考え方は同じです。

検査キットだけで陽性判定が確定しないことがあるのです。まずはこの点を知っておいて下さい。

◇こんな目的で使わないでください

今も説明したように、検査キットはスクリーニング検査が目的です。従って、次のような目的、状況下では利用しないでください。

●すでにあなたに何かの自覚症状が出ている場合
当たり前ですが、検査の次にすぐ治療の必要性が見えている場合は検査キットを使わず、しかるべき病院で検査を受け、続いて治療を受けることが妥当です。

例えば、あなたの性器に明らかに異常が確認できるとか、オシッコの度に痛みがあるとか、そういった場合には速やかに泌尿器科や婦人科に行くことをお勧めします。(検査キットを使ってる場合じゃないです)

ただし、HIV感染症のように初期症状が風邪やインフルエンザに似ていてはっきりしない場合は検査キットの利用は有効です。


●あなたがすでに治療を受けている場合
すでに医療機関で治療を受けていて、その経過を確認するのに検査キットを使わないでください。

スクリーニング検査とは目的が合致しません。医療機関での検査を受けて下さい。


検査キットは上手に使えばとても便利であなたの不安解消に役立つことでしょう。ここに書いてあることを覚えておいて下さいね。

STDキットフッター1

STDキットフッター2